【後編】食を通じて、未来のあなたも喜ばせたい。

【後編】食を通じて、未来のあなたも喜ばせたい。

取材:柴田涼平  文:三川璃子 写真:葉山月翔


ーーあなたが未来に残したいものは?

「ラフダイニング 笑顔の食卓」

そう答えてくれたのは、株式会社ラフダイニング代表の大坪友樹(おおつぼゆうき)さんです。

飲食店、鮮魚店、卸売を担う、ラフダイング。大坪さんが「笑顔の食卓」を通じて届けたい想いとは?

前編はこちら!
【前編】食を通じて、未来のあなたも喜ばせたい。

前回に引き続き、今回は過去、未来編。大坪さんの飲食店の出会いや立ち上げの背景、未来に描きたいものをうかがいます。

過去〜大切な人を喜ばせたい〜

飲食店の出会いと出逢い

1人よりもみんなで楽しむ。その手段として「食」を選んだのはなぜだったのでしょうか?大坪さんの飲食店との出会いを深掘ります。

ーー大坪さんが飲食店を経営したいと思ったきっかけや出会いはいつですか?

大坪:大学時代の居酒屋のアルバイトがきっかけです。どの卓も笑いが耐えなくて、ガヤガヤしている空間が幸せだと思った瞬間に出会えたのもこの居酒屋でした。

ここの店長との出会いも僕の分岐点になったというか。

ーーどんな店長さんだったのですか?

大坪:僕の友人が居酒屋に遊びに来ても、なぜか店長が真ん中に座って楽しんでるみたいな人。みんなでご飯を食べに行っても絶対に僕たちには財布を出させない。

情に熱く、人や楽しい場を大事にする方でした。僕はこの店長に強く憧れて、本業である学生を忘れるくらいずっとバイトしてましたね。

バイトの身分でも、もっと仕事を任せてもらいたい!と思って、学校を休んで買い出しに行ったり。とにかく誰よりもスキルを身につけたいという気持ちでした。

左:当時の店長さん 真ん中:従業員 右:大坪さん

ーー大学を休むまでバイトに熱中していたんですね。

大坪:単位は取りつつですよ。リスクヘッジはしながら、可能な限り学校に行かず、居酒屋の業務をこなしていました(笑)

ーーしかし、就職は飲食業ではなく大手家具メーカーだと伺いましたが、それはなぜだったのでしょうか?

大坪:大学卒業後すぐに飲食に携わるよりも、上場企業に就職することが最も両親を喜ばせる方法だと思ったからです。

でも、その頃は就職氷河期真っ只中。どうなることかと思いましたが、ありがたいことに目指していた上場企業にはほとんど受かりました。なんでか分からないですが、当時の自分はうまくやってたんだと思います。

中でも「欧米並みに豊かな住生活を提供する」とスケールの大きいテーマを掲げている家具メーカーに惹かれて、そこを選びました。

ーー別の道へ一度進んだ後に、また「飲食」をやろうと思ったのはなぜですか?

大坪:新卒で入った会社にずっといるつもりで本気で働いてました。飲食に戻る気は当初なかったと思う。でもある時、明日が来るのが嫌だなって感じたんです。

自分への誇りや自分自身の生きる意味を失う感覚。「今自分は愛のある仕事ができているのか、もっとみんなを喜ばせる仕事があるんじゃないか」と悩みましたね。

そんな時、学生時代に憧れていた店長が独立オープンしたお店に顔を出しに行く機会があって。僕は会社員なのに「こうしたらお店はよくなるんじゃないか?」とかいろいろ口出ししたんですよね。

一緒に来てくれた妻が「自分がやっているわけじゃないのにああだこうだ言うのは違うんじゃない?」って言ってくれたんです。

その言葉に納得して、会社を辞めて24歳で独立。一号店「懐飲庵(かいいんあん)」をオープンしました。

ーー独立に不安はありませんでしたか?

大坪:もちろんありましたよ。でも、失敗するなら早い方がいいとも思いました。独立当初はとにかく働きまくりましたね。

「楽しい」記憶しかないけど、体重がガクンと落ちるほど過酷な労働はしていたと思います。

一号店は札幌大学の近くの立地だったので、札大生を楽しませるような店づくりを意識していました。基本である「来てくれる人に楽しんでもらう」ことはブラさずに。

少しずつ常連のお客様も増やし、二号店、三号店と事業を大きくしていきましたね。

「出口」を大切に。子どもたちがワクワクする未来をつくる

独立後、楽しくも猛然と走り続けた大坪さんですが、事業を進める上で葛藤もありました。

大坪:実は創業当時、飲食ではない分野で失敗したことがあります。電気工事の資格があるわけでもないのにイルミネーションの事業をやっていたんです。

単純にまちに灯が点されるのが綺麗だと思ったんでしょうね。クレームも多かったし、赤字も出してしまったので、イルミネーション事業は早々に畳みました。

その頃、人の入れ替わりもあって、精神的にとても疲弊していたと思います。社内で1人喧嘩別れしてしまった方がいて、もう一生こんな経験はしたくないと思いました。

互いに仕事に熱くなりすぎている時期だったので、ぶつかってしまったんですよね。別れてしまった後のストレスは半端じゃなかった。

今は関係が修復して、その方ともお酒を交わす仲です。関係が戻って本当によかったと思っていますよ。

ーー辛い経験を経て、大坪さん自身が大事にしていることはありますか?

大坪:入口よりも出口を大事にする。これはいつどんな時でも重要なこと。自分自身にも言い聞かせているし、よく従業員にも話します。

生まれるときよりもどう死んでいくのかの方が大事。結婚より離婚、入学より卒業。最後どんな形で出るのがいいのか。人との関係性も一緒。

絶対に喧嘩別れしちゃいけないですよ。自分のやっている仕事には出会い、別れがたくさんあります。そのなかでどうやって未来につながる「別れ」ができるのか。

自分のことばかり考えず、相手にとことん向き合うことを大事にしています。

ーー常に人を大事にしながら歩みを進めていったのですね。

大坪さんが今後ラフダイニングで目指す「出口」はどこですか?

大坪:僕たちの仕事を子どもたちが見てワクワクしてくれることかな。ライフダイニングは魚の養殖、水産・生産加工、卸売、移動販売、飲食店など、「点」が複数できてきました。

これからはこれをきれいに繋げていくフェーズになると思います。僕たちの仕事の見え方ももっとかっこよくしていく。

「食に関わる仕事がこんなにかっこいいんだ」って思ってもらうと同時に、北海道の食に誇りを持つきっかけをつくっていきたいです。

生産から卸売、提供まで一貫して行う、食の総合商社として値段以上の価値を提供するには、僕たちがもっと食本来の魅力を把握しなくてはならない。

価値を正しく知り、正しく買い、正しく調理すれば、お客様へ提供してもロスは出ないでしょう。そんな持続可能な未来も見据えて頑張っていきます。

あなたが未来に残したいものは?

ーー大坪さんが未来に残したいものは何ですか?

「ラフダイニング 笑顔の食卓」です。

僕の名前は、友達の「友」に、樹木の「樹」で友樹です。友達のなる樹と書くので、個人的にこの名前が自分の使命だと思っています。

多くの人に愛されたいし、必要とされたい。そしてあなたがいてくれてよかったと思われて、喜んで笑ってもらいたい。それが自分の役割であり会社の役割でもある。

今やっていることは全て「笑顔の食卓」をつくるため。そこから離れたことはしていないし、今後もしません。

テーブルにある食を通して、友達や恋人、家族と一緒に笑い合える時間を未来にもつくる。強く思えている自分だからこそ、全うできると思うし、自分にしかできないと思う。

僕らにしかできない唯一のこと。笑顔の食卓をつくり、残していきます。


株式会社ラフダイニングは、2022年10月新たに「LAUGH GROUP」としてスタートしました。
「食の一気通貫事業者」を目指す大坪さんの新たな一歩。
詳細は下記ページをチェックしてみてください。

大坪友樹(おおつぼ ゆうき)
◯株式会社ラフダイニング
公式WEBサイト
◯業態
港町のモンキチ
産直大衆BISTRO SACHI
シハチ鮮魚店

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この記事を書いた人

三川 璃子

「拝啓、未来」編集長
想いをていねいに綴る。その人の“ありのまま”の言葉を大事にしています。